コイン収集を始めよう!
コインの保管・扱い方
コインの値を決める3大ポイント
①希少性
重要なポイントは「発行枚数」ではなく「現存枚数」です。数多くの枚数が発行されたコインでも、改鋳される際に潰して地金にされることで現存数が少なくなり、希少性が高まることも少なくありません。
②人気のデザイン
希少性に優れたコインでもコレクターからの人気がなければ値段は上がりません。コインの人気は、デザイン性で大きく左右されます。日本では加納夏雄がデザインした旧20円金貨が龍や錦の御旗が見事ですし、世界ではウィリアム・ワイオンがデザインの英国・ヴィクトリア女王のウナ&ライオンが人気です。
③状態(グレード)
コインの世界で「グレード」と呼ばれる、状態のレベルです。グレードはコイン表面の傷や摩耗の度合いで判断され、当然、グレードが高いものほど希少性があります。
コインの資産性について
古いお金は過去のものですから、もちろん二度と生産されません。そこへコレクターが増えていけば需要が上がり、人気の高いコインにはプレミアがつきます。とくに歴史的価値の高いものや希少な金貨や銀貨は、国際的に価値のあるものとしてオークションなどで取引され、相場が安定しています。換金がしやすく、換金の場もしっかりしているので、資産として頼りにされているのです。絵画や彫刻のような芸術作品は一点もののため、相場もその価値で決まります。コインは世界にまたがって取引され、長い時間をかけて安定した相場をつくるので、中期・長期で考えた資産形成に向いているのです。株を売買するような気持ちで、投機を目的にコイン収集を始めることはおすすめできません。あくまで、後世に受け継ぐ資産くらいに考え、コイン収集を楽しんで頂きたいと思います。
コインを正しく評価するための状態表記
鑑定グレード | 状態説明 | ||
---|---|---|---|
日本国内基準 | グレーティング会社 | ||
劣品 | VG(very Good) | F12~15 | 流通したことによる摩耗が激しく、デザインが不明瞭。年号や額面などは判別可能 |
並品 | F(Fine) | VF30~35 | 流通した際のキズや摩耗が全体にわたって確認でき、一部デザインが不明瞭 |
美品 | VF(Very Fine) | EF40~45 | 流通した際のキズや摩耗が全体にわたって確認でき、細部は不明瞭となっているが、主要デザインは十分に判別可能 |
極美品 | EF(Extremely Fine) | EF50~AU58 | 流通した際のキズや摩耗は少々あるが、主要デザインは明確に判別可能 |
準未使用品 | AU(About Uncirculated) | MS60~61 | 未流通かそれに近い状態。ごく僅かなキズは認められる |
未使用品 | UNC(Uncirculated) | MS62~65 | 流通前に保管された未使用品。時代経過によるトーンや多少の汚れは認められる |
完全未使用品 | FDC(FleuDeCoin) | MS66~70 | 流通前に保管された未使用品の中でも製造時や輸送時によるキズが極めて少なく、原色の光沢を保ったほぼ完璧の状態 |
鑑定眼を鍛えるポイント
①いいものをたくさんみる
とにかく「良品」をたくさん見ることが第一です。貨幣関係の博物館や貨幣商(日本貨幣商協同組合の加盟店がおすすめ)で現物を見て、自分の感覚を磨くことが大切です。感覚を磨くことで、状態(グレード)を見極めることにもつながります。「知識」はもちろん大切ですが、「感覚」も欠かせぬ見極め力です。
②基本を大切にする
コインは、製造時期、鋳造方法、重量などがはっきりしています。日本や世界のコインカタログなどに明記されている情報が基本となります。偽物の中には、重量が異なるものも多いです。収集の対象とするコインの基本情報は抑えておくといいでしょう。
③見識を深める
ただ漫然といいコインを眺めるだけでなく、自分なりに研究して、知識を深めることで、見極め力にさらなる磨きがかかります。日本の明治時代の銀貨などに多い、デザインや書体の細部に微妙な違いがある「手変わり」を知るように、研究を深めることでほかのコレクターが気づいていない珍品を見つけることもできるのです。